こんにちは、ランクル完全ガイドのハルです。
ランドクルーザーFJを見ると、「ボディが少し小さくなったランクル」という印象を持つ方もいるかもしれません。
ただ、4WD性能を見ると中身はかなり本気です。
ラダーフレーム、パートタイム4WD、ローレンジ、リヤデフロックを備えていて、街乗りSUVに少し悪路性能を足したような車ではありません。
私はランドクルーザープラド150に乗っていますが、ランクル系の車で面白いのは、普段ほとんど使わないような機能まで「必要になったときに使えるように作られている」ところだと思っています。
一方で、4WDだから雪道では何をしても大丈夫、デフロックを入れればどこでも進める、というわけでもありません。
ランドクルーザーFJの性能を活かすには、H2・H4・L4の役割を理解し、路面に合わせて正しく使うことが大切です。
この記事では、ランドクルーザーFJの4WDシステムからラダーフレーム、悪路走破性、雪道、リヤデフロックまで、初めて本格四駆に乗る方にも分かるように解説します。
記事のポイント
- ランドクルーザーFJのパートタイム4WDの仕組み
- ラダーフレームが悪路走破性に与えるメリット
- 雪道でH2・H4・L4を使い分ける考え方
- リヤデフロックを使う場面と注意点
ランドクルーザーFJの4WD性能
ランドクルーザーFJの4WD性能を理解するとき、最初に見ておきたいのが車の基本構造です。
FJは2.7Lガソリンエンジンと6速ATを組み合わせた5人乗りモデルですが、その駆動方式にはパートタイム4WDが採用されています。
さらに、ランドクルーザー伝統のラダーフレーム、悪路用のローレンジ、リヤデフロックなどを備えていて、本格的な四輪駆動車として作られています。
街乗りSUVとは構造が違う
現在は「SUV」と呼ばれる車がかなり増えましたが、SUVだからといって、すべての車が本格的な悪路走行を想定しているわけではありません。
乗用車をベースに車高を上げ、必要に応じて前後輪へ駆動力を配分する四輪駆動車もたくさんあります。
それに対してランドクルーザーFJは、悪路で車を動かし続けることまで考えたラダーフレーム構造を採用しています。
トヨタもFJを、ランドクルーザーが長年大切にしてきた信頼性、耐久性、悪路走破性を受け継ぐモデルとして位置づけています。
つまり、「見た目だけランクル風にした小型SUV」ではないわけです。
ランドクルーザーFJは、日常で扱いやすいサイズにしながら、本格四駆としての基本構造を残したモデルです。
パートタイム4WDを採用
ランドクルーザーFJの駆動方式は、必要なときだけ四輪を駆動するパートタイム4WDです。
通常の乾燥した舗装路では後輪駆動の2WDで走り、雪道、砂地、ぬかるみ、未舗装路などでは4WDへ切り替えて走ります。
2WD走行時の駆動力は前輪0、後輪100。
4WDでは前輪50、後輪50という考え方です。
ランドクルーザー250のように通常から4輪を駆動するフルタイム4WDとは、使い方そのものが違います。
この違いを知らず、「ランクルなんだからずっと4WDで走っておけばいい」と考えてしまうと、FJ本来の使い方から外れてしまいます。
普段は後輪駆動で走る
市街地や高速道路など、乾燥した普通の舗装路ではH2を使用します。
そのため、日常では後輪駆動車として走る時間の方が長い方も多いでしょう。
そして滑りやすい状況になったとき、自分でH4へ切り替えます。
この「路面を見て自分で選ぶ」という操作も、昔ながらの本格四駆らしい部分ですよ。
まさにそこがFJを買う前に知っておきたいポイントです。
ランドクルーザーFJの基本スペックやサイズ、価格などを先に確認したい方は、ランドクルーザーFJの基本情報をまとめた記事も参考にしてください。
パートタイム4WDの使い方
ランドクルーザーFJには、H2、H4、L4という3つのトランスファーレンジがあります。
名前だけ見ると難しそうですが、考え方はそれほど複雑ではありません。
普通の舗装路はH2、滑りやすい道はH4、さらに大きな駆動力が必要な悪路ではL4と覚えておくと分かりやすいです。
H2は普段の舗装路で使う
H2はハイレンジ2WDです。
市街地、高速道路、乾燥した一般道など、普段の走行では基本的にH2を使用します。
前輪へは駆動力を伝えず、後輪で車を動かします。
「せっかく4WDなのに2WDで走るの?」と感じるかもしれません。
ただ、これは故障でも性能不足でもなく、パートタイム4WD本来の使い方です。
必要のない場面では機構を無理に拘束せず、必要になったら四輪駆動へ切り替える仕組みなんですね。
H4は雪や悪路で使う
H4はハイレンジ4WDです。
雪道、氷雪路、砂地、未舗装路など、タイヤが滑りやすい路面で使用します。
前後輪を使って駆動できるため、2WDではタイヤが空転しやすい状況でも前へ進みやすくなります。
冬の圧雪路、雨でぬかるんだキャンプ場、砂利の多い林道などでは、H4の出番が考えられます。
ただし、少し雨が降っている程度の普通の舗装路で常にH4へ入れるような車ではありません。
乾燥した舗装路ではH2が基本です。
H4やL4のまま乾燥舗装路を走り続けると、前後輪の回転差を吸収しにくくなり、駆動系への負担やタイヤの摩耗、燃料消費の増加につながる可能性があります。
L4は大きな駆動力が必要な場面
L4はローレンジ4WDです。
H4よりさらに低いギヤ比を使い、低い速度で大きな駆動力を出したい場面に使います。
深いぬかるみ、深雪、砂地、急な登り坂、険しい悪路などが代表的です。
また、急な下り坂をゆっくり降りたい場面でも、ローレンジを活用できます。
アクセルを大きく踏んで勢いで突破するのではなく、低速でじわじわ車を動かせるのがメリットです。
L4は日常用ではない
L4は「4WDをさらに高性能にするモード」というより、通常走行では必要のない特殊な低速レンジです。
FJではH4からL4へ切り替える際、車両を完全に停止させ、シフトレバーをNにして操作します。
つまり、走りながら気軽に切り替えて使う機能ではありません。
もしFJを購入したら、納車後に取扱説明書を読み、実際のスイッチ位置と表示灯を一度確認しておくといいですよ。
雪が深くなってから初めて説明書を開くより、その方がずっと安心です。
ラダーフレームが支える走破性
ランドクルーザーFJが本格四駆と呼べる理由は、4WDシステムだけではありません。
車体の土台には、ランドクルーザーが長年採用してきたラダーフレーム構造が使われています。
悪路で車体へ大きな力が加わることを想定するなら、この骨格はかなり重要です。
ラダーフレームとは何か
ラダーフレームは、左右に伸びる太いフレームを複数の横材でつないだ構造です。
上から見るとはしごのように見えるため、ラダーフレームと呼ばれます。
ボディそのものを骨格として使う一般的な乗用車とは違い、頑丈なフレームの上へボディを載せるイメージです。
こうした構造は、悪路で車体がねじられる状況や、長期間にわたって大きな負荷が加わる用途との相性があります。
ランドクルーザーが砂漠、山岳地域、未舗装路、業務用途などでも使われてきた背景を考えると、単なるデザイン上のこだわりではないことが分かります。
ラダーフレーム車であるランドクルーザープラド150のマフラーやスペアタイヤが見える下回り
上の写真は私が乗っている150系プラドの下回りですが、ランドクルーザー系の車を見るときは外観だけでなく、こうした下側の作りも面白いですよ。
悪路では車輪の接地も重要
悪路走破性は、エンジンの馬力だけで決まりません。
むしろ低速で荒れた路面を走るときには、タイヤがどれだけ路面へ接地し続けられるかが重要になります。
大きな凹凸を斜めに越えると、一つのタイヤが浮きそうになる場面があります。
そこでサスペンションがしっかり動き、できるだけタイヤを路面へ押し付けられれば、駆動力を伝えやすくなります。
FJはフロントにダブルウィッシュボーン、リヤに4リンク式のリジッド構造を採用しており、オフロードでのタイヤの接地性も重視されています。
トヨタはFJのホイールアーティキュレーションをランドクルーザー70と同等の水準にしたと説明しています。
コンパクトなFJですが、悪路側の設計まで簡略化されたわけではありません。
短いホイールベースも武器
ランドクルーザーFJのホイールベースは2,580mmです。
ランドクルーザー250より短く、全長も4,575mmに抑えられています。
短いホイールベースには、街中で小回りしやすくなるだけでなく、悪路でもメリットがあります。
例えば山の頂点のような盛り上がりを越える場合、前輪と後輪の距離が長すぎると車体中央が地面へ接触しやすくなります。
また、狭い林道や切り返しが必要な場所では、大型のランドクルーザーより向きを変えやすい場面もあるでしょう。
大きな車ほど悪路に強いと思われがちですが、オフロードではボディの大きさそのものが不利になる場面もあります。
FJの魅力は「小さいからランクルより性能が低い」ではなく、「ランドクルーザーらしい構造を、扱いやすい寸法へまとめたこと」にあります。
ランドクルーザーFJの悪路走破性
では、実際にランドクルーザーFJはどのような場面で性能を発揮するのでしょうか。
悪路といっても、砂利道、泥、砂、深雪、岩場では必要な性能が違います。
FJにはそれぞれの状況へ対応するための機械的な構造と電子制御が用意されています。
ぬかるみでは4WDが活きる
雨のあとに土の駐車場やキャンプ場へ入ると、表面だけでなく地面の奥まで柔らかくなっていることがあります。
こうした場所では、2WDだと駆動輪だけが空転して穴を掘ってしまうことがあります。
H4へ切り替えて四輪へ駆動力を伝えれば、一つのタイヤだけに頼らず進みやすくなります。
さらに険しい状況ではL4も使用可能です。
大切なのは、タイヤが激しく空転してから慌てるのではなく、路面を見て早めに適切なレンジへ切り替えることです。
砂地は勢いだけで走らない
砂地ではタイヤが沈み込みやすく、停止したところから再発進できなくなる場合があります。
だからといって、アクセルを強く踏み続ければいいわけでもありません。
激しく空転するとタイヤが砂を掘り、さらに深く沈んでしまうことがあります。
H4や状況に応じたL4を使い、急なアクセル操作を避けながら一定の駆動力を伝えることが大切です。
また、本格四駆であっても走行可能な場所かどうかは別問題。
私有地や進入禁止区域へ入らないのはもちろん、自然環境を傷めない走り方も必要ですね。
A-TRCも走行を助ける
ランドクルーザーFJにはA-TRCも備わっています。
H4またはL4で走行している際、滑りやすい路面や険しい悪路で車輪が空転すると、各車輪の空転を抑えながら駆動力の確保を助けます。
例えば対角線上のタイヤへ荷重がかかり、別のタイヤが空転しやすい状況では、こうした電子制御が助けになることがあります。
昔ながらの機械的な4WDだけではなく、電子制御も組み合わせているわけです。
電子制御は万能ではない
ただし、A-TRC、ABS、VSCなどが付いているから、どんな路面でも車が自動的に何とかしてくれるわけではありません。
タイヤそのものが路面をつかめなければ、電子制御にも限界があります。
特に泥、氷、深雪ではタイヤ選びが結果を大きく左右します。
4WD性能を見るときは、車両の装備とタイヤをセットで考えた方がいいですよ。
これは本当にその通り。
ランドクルーザーの魅力は限界まで無茶をすることではなく、余裕を持って目的地へ行き、きちんと帰ってくることにあると思っています。
ランドクルーザーFJの雪道性能
ランドクルーザーFJを検討している方の中には、雪道性能を重視している方も多いでしょう。
パートタイム4WDなので、圧雪路や滑りやすい雪道ではH4を使うことができます。
ただし、ここで絶対に勘違いしたくないのが、4WDと冬用タイヤは役割が違うという点です。
雪道ではH4が基本になる
乾燥舗装路ではH2が基本ですが、雪が積もりタイヤが滑りやすい状況ではH4を使います。
後輪だけではなく前輪にも駆動力を伝えられるため、雪道での発進や登り坂では2WDより余裕を持ちやすくなります。
特に坂道発進では、後輪だけが空転する状況を減らせる可能性があります。
また、FJにはヒルスタートアシストコントロールもあるため、坂道から発進する際の後退を抑える方向でサポートしてくれます。
深雪ではL4も使える
除雪されていない深い雪では、H4だけでは進みにくい場面も考えられます。
そうした状況で大きな駆動力が必要になれば、L4を使用できます。
低速でタイヤへ駆動力を伝えやすくなるため、雪をかき分けながら慎重に進む場面では心強い機能です。
とはいえ、最低地上高以上の雪が積もれば、車体の下へ雪がたまり、タイヤが浮くような状態になることもあります。
4WDだから深雪へ無制限に入っていけるわけではありません。
スタッドレスタイヤは欠かせない
雪道で最も大切なのは、「4WDだから夏タイヤでも走れる」と考えないことです。
4WDは主に車を前へ進ませる能力を助けます。
一方、曲がる、止まるという性能は、タイヤと路面の摩擦に大きく左右されます。
4WDにしてもブレーキを踏んだときだけ特別に止まりやすくなるわけではありません。
雪道を日常的に走るなら、ランドクルーザーFJでも適切なスタッドレスタイヤを4輪に装着することが基本です。
ランドクルーザープラド150の純正ホイールとタイヤ。雪道では4WD性能だけでなくタイヤ選びも重要
4WDは「発進できるから止まれる」とは限りません。
雪道や凍結路では速度を落とし、車間距離を十分に確保し、急加速、急ブレーキ、急ハンドルを避けることが重要です。
4WDでもチェーン規制は対象
もう一つ覚えておきたいのがタイヤチェーンです。
大雪時に実施されるチェーン規制では、4WD車やスタッドレスタイヤ装着車であっても、指定区間を走るためにチェーン装着が必要になる場合があります。
「ランクルだからチェーンはいらない」という考え方はできません。
雪山、スキー場、豪雪地域へ出かける機会が多いなら、FJのタイヤサイズへ適合するチェーンを準備し、実際に装着方法まで確認しておきたいところです。
真冬の吹雪の中で説明書を読みながら初めて取り付けるのは、かなり大変ですからね。
まさにその感覚です。
4WD性能が高い車ほど発進できてしまうので、自分が思っている以上に速度が出てしまうことがあります。
雪道では性能を使い切るより、性能に余裕を残して走る方が安心ですよ。
リヤデフロックの役割
ランドクルーザーFJの悪路性能で見逃せないのが、電動リヤデフロックです。
名前だけ聞くと「これをONにすれば最強の4WDになる」と感じるかもしれません。
しかし、リヤデフロックは普段から使う装備ではなく、スタックしたときの脱出を助けるための装置と考えた方が分かりやすいです。
雪道や悪路でのスタック、脱輪などで自力で動けなくなったときに備えて、JAFのロードサービスに入っておくと、出先でも救援を頼みやすくなります。
デフは左右の回転差を作る
車がカーブするとき、内側のタイヤと外側のタイヤでは進む距離が違います。
そこで左右のタイヤへ回転差を作れるようにしているのがデファレンシャル、いわゆるデフです。
普通の道路では、この仕組みがあるから車は自然に曲がれます。
しかし悪路では、その特徴が逆に困る場面があります。
片側のタイヤが浮いたり、非常に滑りやすい場所へ乗ったりすると、そのタイヤだけが空転して前へ進めなくなる場合があるためです。
左右の後輪をつないで脱出する
リヤデフロックを作動させると、左右の後輪の回転差を制限し、空転していない側にも駆動力を伝えやすくします。
片方の後輪が泥にはまり、もう片方にはグリップが残っているような状況では効果を期待できます。
FJでは、まずL4で脱出を試し、それでも抜けられない場合にリヤデフロックを使用する流れになっています。
つまり、最初からONにして悪路へ突っ込むための機能ではありません。
リヤデフロックは走破性を高める装備ですが、基本的には緊急脱出用です。
普段の雪道や一般的な未舗装路で常時使用するものではありません。
デフロック中は慎重に走る
リヤデフロック中は左右の後輪が同じように回ろうとするため、車は曲がりにくくなります。
そのため、通常の舗装路で使用するものではありません。
FJではリヤデフロックを使う際の速度にも制限があり、脱出後は速やかに解除する必要があります。
また、作動中はABS、VSC、A-TRC、ダウンヒルアシストなど、一部の運転支援機能が使用できなくなります。
これはかなり大切なポイントです。
「デフロックを入れた方が安全」なのではなく、通常の制御では脱出できない特殊な場面だから使うと考えてください。
そうなんです。
デフロックがあるから奥まで入れるではなく、「万一のときのもう一手がある」と考えるくらいがちょうどいいかなと思います。
下り坂を助ける機能
悪路では登れるかどうかに注目しがちですが、実際には下りの方が怖い場面もあります。
急な坂で車重のある車が一度滑り始めると、アクセルを戻すだけでは止まりません。
ランドクルーザーFJには、そのような状況を助ける機能も用意されています。
ダウンヒルアシストを搭載
FJにはダウンヒルアシストコントロールが搭載されています。
急な下り坂などで車速が上がりすぎないようブレーキを制御し、低速で安定して降りることを助ける機能です。
ドライバーがブレーキを細かく踏んだり離したりする負担を減らせるため、滑りやすい坂では心強いでしょう。
さらにL4を使えば、ローレンジによって低速側のギヤを利用できます。
登りだけではなく下りでも、本格四駆らしい機構が活きるわけです。
急坂では速度を出さない
もちろん、ダウンヒルアシストがあるから急坂へ勢いよく入っていいわけではありません。
坂へ入る前に路面状況を確認し、十分に速度を落とした状態から進むことが基本です。
岩、穴、ぬかるみ、雪などがある場合は、坂の途中で急なハンドル操作をすると姿勢を崩す可能性もあります。
こうした装備は、ドライバーの判断を置き換えるものではなく、正しい判断をしたうえで助けてもらう機能と考えましょう。
250と4WD方式が違う
ランドクルーザーFJと250で迷っている場合は、ボディサイズだけではなく4WD方式の違いも知っておきたいところです。
FJはパートタイム4WDですが、250はフルタイム4WDです。
ここは日常での乗り方にも関わる、かなり大きな違いです。
FJは自分で4WDへ切り替える
FJは普段H2で走り、滑りやすい路面ではH4へ切り替えます。
そのため、「今日は雪が積もっている」「ここから未舗装路に入る」といった状況に合わせてドライバーが判断します。
昔ながらの四輪駆動車に近い感覚が好きなら、こちらの方が楽しいと感じる方もいるでしょう。
250は通常から四輪駆動
一方のランドクルーザー250はフルタイム4WDで、通常走行でも四輪を駆動します。
センターデフを備えているため、舗装路でも前後輪の回転差を吸収しながら走れます。
ドライバーが「ここから雪だから4WD」と毎回切り替える必要はありません。
| 比較項目 | ランドクルーザーFJ | ランドクルーザー250 |
|---|---|---|
| 4WD方式 | パートタイム4WD | フルタイム4WD |
| 通常舗装路 | H2の後輪駆動 | 四輪駆動 |
| 悪路 | H4やL4へ切り替え | 路面に応じた機能を使用 |
| 運転感覚 | ドライバーが駆動方式を選ぶ | 日常から4WDで走れる |
どちらが上という話ではありません。
普段から四輪駆動の安心感を得たいなら250が分かりやすく、自分で機械を操作する本格四駆らしさを楽しみたいならFJが面白いでしょう。
4WD性能を過信しないために
ランドクルーザーFJには本格的な悪路装備がそろっています。
だからこそ、性能を知るだけではなく「できないこと」も理解しておきたいです。
本格四駆で一番怖いのは、車の能力が高いためにドライバーが限界を見誤ることかもしれません。
タイヤの性能は別に必要
4WDは、装着しているタイヤ以上の摩擦力を生み出せません。
雪ならスタッドレスタイヤ、走行する悪路によっては用途に合ったオールテレーンタイヤなど、タイヤ側の性能も重要です。
逆に、ほとんど舗装路しか走らないのにオフロード向けタイヤへ交換すると、静粛性、乗り心地、燃費などで不満が出ることもあります。
見た目だけで決めず、普段どこを走るのかから選びたいですね。
最低地上高にも限界がある
ラダーフレームと4WDがあっても、車体が物理的に乗り越えられない障害物はあります。
大きな岩へ下回りをぶつけたり、深雪で腹下が乗り上げたりすれば、自力で動けなくなる可能性があります。
FJにはオフロード走行を意識したスキッドプレートもありますが、それは「どこへぶつけても平気」という意味ではありません。
牽引用品も万能ではない
キャンプや林道へ行く方なら、牽引用品を車へ積んでおきたいと考えるかもしれません。
ただし、牽引ロープなどは荷重条件や取り付け位置を間違えると、車両を損傷させたり周囲へ危険を及ぼしたりします。
牽引ポイントではない場所へロープを掛けるのも避けるべきです。
用品を積むだけで安心せず、車両側の指定位置や製品の使用方法まで確認しておくことが大切ですよ。
雪道や未舗装路をよく走る予定なら、車両本体だけでなく、スタッドレスタイヤ、タイヤチェーン、必要に応じた牽引用品まで含めて準備しておくと安心です。
FJの4WDが向いている人
ランドクルーザーFJの4WD性能は魅力的ですが、すべての方に必要とは限りません。
ほぼ舗装路しか走らない方でもFJを選んで問題はありませんが、構造や使い方を理解したうえで買うと、より満足しやすいと思います。
アウトドアへ行く人
キャンプ、釣り、登山、スキー、スノーボードなどで舗装路以外へ入る機会がある方には、FJの4WD性能が活きやすいでしょう。
雨でぬかるんだキャンプ場や雪のある山道など、「普通の道から少し先へ行く」場面で余裕があります。
しかも300や250ほどボディが大きくないため、狭い場所へ入りやすいこともFJの魅力です。
雪国で暮らす人
雪が日常的に積もる地域では、H4を使えることは大きなメリットです。
さらに深雪でL4を使えることや、万一の際にリヤデフロックが用意されていることも安心材料になります。
ただし繰り返しになりますが、スタッドレスタイヤなど冬の装備は別に必要です。
FJそのものの性能が高いからこそ、タイヤ側で台無しにしないようにしたいですね。
本格四駆を操作したい人
FJは「何もしなくても全部車がやってくれるSUV」とは少し違います。
路面を見てH2からH4へ切り替え、さらに必要ならL4を選ぶ。
どうしても脱出できなければリヤデフロックを使う。
こうした操作を面倒と感じる方もいるでしょう。
一方で、機械を自分で使い分けることを楽しめる方には、かなり魅力的な車だと思います。
現在のFJの購入状況や抽選について知りたい方は、ランドクルーザーFJの予約と抽選についてまとめた記事も確認してみてください。
また、ラダーフレーム車を長く所有すると雪国での下回りや錆の状態も気になります。
私の150プラドを例にした確認ポイントは、150プラドの中古車で確認したい下回りやフレームの注意点でも詳しく紹介しています。
ランドクルーザーFJの4WDに関するよくある質問(FAQ)
最後に、ランドクルーザーFJの4WDシステムや雪道、悪路走行について、購入前に気になりやすい疑問をまとめます。
Q1. ランドクルーザーFJは常時4WDですか?
A. いいえ、ランドクルーザーFJはパートタイム4WDです。通常の乾燥した舗装路ではH2を使い、後輪駆動で走ります。雪道や未舗装路など滑りやすい路面ではH4へ切り替え、さらに大きな駆動力が必要な悪路ではL4を使用します。ランドクルーザー250のフルタイム4WDとは使い方が異なります。
Q2. ランドクルーザーFJは雪道に強いですか?
A. 雪道へ対応しやすい本格四駆です。滑りやすい路面ではH4、深雪など大きな駆動力が必要な状況ではL4を使用できます。ただし、4WDはスタッドレスタイヤの代わりにはなりません。雪道では適切な冬用タイヤを装着し、速度を落として車間距離を十分に取ることが重要です。
Q3. 乾燥した道路でもH4で走っていいですか?
A. 基本的にはH2で走ります。FJのパートタイム4WDでは、乾燥した舗装路や高速道路をH4やL4で走り続ける使い方は想定されていません。前後輪の回転差による負担が生じやすく、駆動系やタイヤへの負担、燃料消費の増加につながる可能性があります。路面が通常状態へ戻ったらH2へ戻しましょう。
Q4. リヤデフロックは雪道で常に使った方がいいですか?
A. いいえ、常時使用する装備ではありません。リヤデフロックは滑りやすい路面や凹凸路で後輪が空転し、L4でも脱出できないような状況で使う装置です。作動中は車が曲がりにくくなり、一部の安全支援機能も使用できなくなるため、脱出後は速やかに解除します。
Q5. FJと250はどちらが雪道で使いやすいですか?
A. 操作の分かりやすさではフルタイム4WDの250、必要なときに自分で4WDを選ぶ本格四駆らしい使い方ではFJが魅力です。FJは通常H2で、雪道ではH4へ切り替える必要があります。どちらも雪道ではタイヤが非常に重要なので、4WD方式だけでなく、車体サイズ、使用地域、タイヤ、普段の走り方まで含めて選びましょう。
ランドクルーザーFJの4WDまとめ
ランドクルーザーFJは、単にランドクルーザーを小さくした街乗りSUVではありません。
ラダーフレームを採用し、パートタイム4WD、H2・H4・L4、リヤデフロック、A-TRC、ダウンヒルアシストなどを備えた、本格的な四輪駆動車です。
特に短いホイールベースと高いタイヤの接地性は、狭い悪路や凹凸路でもFJらしい機動力につながります。
- 乾燥した舗装路ではH2を使用する
- 雪道や滑りやすい悪路ではH4へ切り替える
- 深雪や険しい悪路ではL4を使用できる
- リヤデフロックはスタック時の脱出用として使う
- 雪道では4WDでもスタッドレスタイヤが重要
- チェーン規制では4WD車もチェーンが必要になる
- 悪路走破性が高くても車とタイヤには限界がある
私がFJで特にいいと思うのは、性能の高さそのものより、必要なときに使える機械的な余裕がしっかり残されていることです。
普段の舗装路ではH2で普通に走る。
雪が積もればH4へ切り替える。
もっと厳しい状況ならL4があり、それでも抜けられなければリヤデフロックという次の手があります。
この段階的な使い方は、まさに本格四駆らしいところですよ。
ただし、性能が高いほど過信は禁物です。
スタッドレスタイヤを履いていなければ雪道で十分な性能を発揮できませんし、最低地上高を超える深雪や大きな障害物には物理的な限界があります。
ランドクルーザーFJは「どこでも無理して行ける車」ではなく、「悪条件でも余裕を持って行き、帰ってくるための選択肢が多い車」と考えるのが一番しっくりきます。
あなたが街乗りだけではなく、雪道、キャンプ、林道、アウトドアまで楽しみたいなら、この4WD性能はFJを選ぶ大きな理由になるのではないでしょうか。