こんにちは、ランクル完全ガイドのハルです。
FJクルーザーを維持していると、4.0Lという排気量から自動車税の負担が気になり、「1ナンバーにすればかなり安くなるのでは」と考えることがあります。
私もプラド150に乗っているので、ランクル系のような大きな四駆では、車両価格だけでなく毎年かかる税金や車検まで気になる気持ちはよく分かります。
ただ、FJクルーザーの1ナンバー登録は、ナンバープレートを交換するだけの節約方法ではありません。
貨物車として登録できる構造へ変更し、構造等変更検査を受けたうえで、車検周期、高速料金、任意保険、乗車定員なども変わる可能性があります。
年間の自動車税だけを見ると魅力的でも、普段の使い方まで含めたら3ナンバーのままの方が合っていた、ということも十分あります。
この記事では、国内で正規販売された4.0Lの旧FJクルーザーを対象に、1ナンバー登録の条件から費用、4ナンバー・5ナンバー・8ナンバーとの違い、ユーザー車検まで掘り下げます。
記事のポイント
- FJクルーザーを1ナンバー登録する条件
- 3ナンバーと1ナンバーの維持費の違い
- 4ナンバー・5ナンバー・8ナンバーとの違い
- 構造変更とユーザー車検の注意点
FJクルーザーの1ナンバーとは
最初に知っておきたいのは、1ナンバー化するとFJクルーザーの登録上の用途そのものが変わるということです。
見た目がほとんど同じでも、3ナンバーのFJクルーザーと1ナンバーのFJクルーザーでは、維持の仕方にかなり違いが出ます。
3ナンバーから貨物車へ変わる
国内仕様のFJクルーザーは、通常は乗用車として3ナンバー登録されています。
トヨタ公式の車両情報では、国内仕様は全長4,635mm、全幅1,905mm、全高1,840mm、排気量3,955cc、乗車定員5人の本格4WDです。
1ナンバーは普通貨物自動車に使われる分類番号なので、FJクルーザーを1ナンバーへ変更するには、単に「大きなSUVだから貨物車にしたい」と申請するだけでは足りません。
人を運ぶための乗用車から、貨物を運ぶことを主目的とした車へ登録内容を変えると考えると分かりやすいですよ。
なお、2026年に発売されたランドクルーザーFJとは別の車なので、新旧のFJを混同しないようにしてください。
違いが分からない場合は、ランドクルーザーFJと旧FJクルーザーの違いも先に確認しておくと分かりやすいです。
節税だけで決めると後悔しやすい
FJクルーザーの1ナンバー化が注目される最大の理由は、自動車税の負担を抑えられる可能性があることです。
国内仕様FJクルーザーは3,955ccなので、通常の3ナンバーでは排気量3.5L超4.0L以下の税率が適用されます。
2019年9月30日以前に初回新規登録された自家用乗用車では、この区分の自動車税は年66,500円が基本です。
さらに一定年数を経過したガソリン車では重課の対象になるため、年式の古いFJクルーザーほど税金が気になってきます。
詳しい税額はFJクルーザーの自動車税と13年超の負担でも解説しています。
ただし、自動車税だけで1ナンバー化の損得を決めるのはおすすめしません。
毎年車検、高速道路の車種区分、任意保険、構造変更費用、乗車定員などまで含めて比べる必要があります。
1ナンバー登録の条件
FJクルーザーを1ナンバーに変更するときに一番重要なのが、貨物自動車として認められる構造になっているかどうかです。
「後部座席を外したら1ナンバーになる」というほど単純ではありません。
貨物車には荷室基準がある
国土交通省では、乗用車と貨物自動車を分けるための具体的な基準を定めています。
主な考え方として、貨物を積むための床面積、乗車設備と荷室の割合、積載できる重量、荷物を出し入れする開口部などが確認されます。
詳しい基準は、国土交通省「自動車の用途等の区分について」で確認できます。
荷室は1平方メートル以上
貨物自動車の基準では、原則として貨物を積載する床面積が1平方メートル以上必要です。
ただ後席を畳んだ状態で広く見えるから大丈夫、という話ではなく、登録時の乗車設備や固定方法を含めて判断されます。
FJクルーザーはもともと荷室を持つSUVですが、乗用車として作られた車なので、そのまま自動的に貨物車として扱われるわけではありません。
この写真は通常使用時の荷室の参考であり、1ナンバー登録後の構造を示したものではありません。
人より貨物を優先する構造
もう一つ大事なのが、貨物を運ぶことが主目的だと分かる構造になっていることです。
乗車設備を最大限利用した状態でも、貨物を積む部分の床面積が乗車設備の床面積より大きいことなどが確認されます。
さらに、貨物として積載できる重量と乗員重量の関係も判定材料になります。
つまり、座席をたくさん残して荷室だけ少し広げればいい、という話ではありません。
FJクルーザーの1ナンバー登録では、荷室の大きさと後席をどう扱うかが大きなポイントになります。
5人乗りを残せるとは限らない
「FJクルーザーを1ナンバーにしても5人乗りのまま使えるのか」は、特に気になるところだと思います。
1ナンバーだから必ず2人乗りになる、という決まりではありません。
一方で、FJクルーザーの車内寸法や荷室基準を満たすために後席の撤去や乗車定員の変更が必要となり、結果として定員が減るケースがあります。
どの仕様なら何人乗りで登録できるかは、現車の構造、改造内容、最大積載量などによって変わります。
ネット上で「FJなら絶対5人乗りで取れる」「絶対2人乗りになる」と言い切っている情報だけで部品を外すのは避けたいところです。
構造等変更検査を受ける
乗用から貨物へ用途を変える場合は、通常の継続車検だけで済ませるものではありません。
用途、乗車定員、最大積載量などに変更が生じるため、運輸支局で構造等変更検査を受けることになります。
検査では車両寸法や重量などが改めて確認され、合格後は変更された内容で新しい車検証が交付されます。
1ナンバー登録後には最大積載量の表示も必要になるため、乗用車時代とは車両の扱いが変わります。
構造変更前に、管轄する運輸支局へ現在の車検証と予定している改造内容を伝えて確認しておくと安心です。
すでにFJクルーザーの貨物登録を扱った経験がある店舗へ現車を見てもらう方法もあります。
3ナンバーと費用を比べる
1ナンバー化で本当に得するかを見るなら、自動車税だけではなく年間で支払う費用と使い方を並べる必要があります。
ここでは、3ナンバーのFJクルーザーと1ナンバー化した場合に何が変わるのかを見ていきます。
| 項目 | 3ナンバー | 1ナンバー |
|---|---|---|
| 用途 | 自家用乗用車 | 普通貨物自動車 |
| 自動車税 | 排気量を基準に課税 | 最大積載量など登録内容で課税 |
| 車検 | 通常2年ごと | 2回目以降は1年ごと |
| 重量税 | 車両重量などで決定 | 車両総重量などで決定 |
| 自賠責 | 自家用乗用車の区分 | 普通貨物車の区分 |
| 任意保険 | 自家用普通乗用車 | 貨物・改造内容を含め確認 |
| 高速道路 | 普通車 | 一般的には中型車区分 |
| 乗車定員 | 国内仕様は5人 | 構造変更内容により変わる |
| 初期費用 | 通常は不要 | 改造・検査・登録などが発生 |
表の内容は一般的な考え方で、実際の税額や費用は初度登録年月、車両重量、最大積載量、検査時期、改造内容などによって変わります。
自動車税は下がりやすい
3ナンバーの国内仕様FJクルーザーは3,955ccなので、通常は排気量3.5L超4.0L以下の区分です。
2019年9月30日以前に初回新規登録された自家用乗用車なら、基本となる年税額は66,500円です。
一方、自家用トラックでは最大積載量1トン以下に年8,000円という税率区分があります。
ただし、FJクルーザーを1ナンバー化したら誰でも必ず8,000円になる、と決めつけてはいけません。
乗車定員や最大積載量などによって貨客兼用の税率が関係する場合もあり、構造変更後の車検証に記載された内容をもとに税額が決まります。
ネットで見かける「1ナンバーなら税金がこれだけになる」という金額は、同じFJクルーザーでも登録内容が同じとは限りません。
自分の車が変更後にどの区分へ入るのかまで確認して比較するのがポイントです。
車検は毎年になる
1ナンバー化で見落としやすいのが車検周期です。
自家用乗用車は新車初回を除けば通常2年ごとですが、車両総重量8トン未満の貨物自動車は2回目以降1年ごとになります。
中古のFJクルーザーを1ナンバーへ変更して維持するなら、基本的には毎年車検を受ける前提で考えた方がいいでしょう。
1回あたりの税金が下がったとしても、点検、整備、持ち込み、店舗への依頼などを毎年行うことになります。
特に年式が古くなったFJクルーザーでは、車検そのものより消耗品や整備費が重なる年もあります。
重量税と自賠責も変わる
1ナンバーと3ナンバーでは、自動車重量税を計算するときの区分も同じではありません。
乗用車では車両重量が中心になりますが、貨物車では車両総重量などが関係します。
さらにFJクルーザーは年式によって経年による税額の違いも関係するため、ネット上の一台分の例をそのまま自分の車へ当てはめるのは避けたいところです。
自賠責保険についても、自家用乗用車と普通貨物自動車では保険料区分や契約期間が変わります。
そのため、税金、自賠責、検査手数料を合わせた法定費用を、変更予定の車両条件で計算する必要があります。
任意保険は変更前に確認する
1ナンバー化する前に必ず確認しておきたいのが任意保険です。
普通貨物自動車を契約できる保険会社はありますが、乗用車と同じ条件や同じ保険料になるとは限りません。
また、乗用から貨物へ構造変更された車両について、引受条件や車両保険の扱いが変わることもあります。
「自動車税が年間で下がるから得だ」と考えて変更したあと、任意保険が想定より高くなれば計算が変わってしまいます。
構造変更を実施する前の段階で、現在加入している保険会社へ1ナンバー変更後の契約条件と保険料を確認しておくのがおすすめです。
高速道路は中型車扱いになる
高速道路をよく利用する人は、ここをかなり重く見た方がいいと思います。
NEXCOの車種区分では、普通乗用車は「普通車」に入り、一定条件の普通貨物自動車は「中型車」に区分されます。
FJクルーザーを一般的な1ナンバーの普通貨物車として登録した場合、高速道路では中型車料金になると考えておく必要があります。
車種区分の条件は、NEXCO東日本「高速道路の車種区分」でも確認できます。
高速を使う人ほど差が出る
近所の買い物や一般道中心なら、高速料金の違いはほとんど家計へ出ないかもしれません。
一方、キャンプ、旅行、帰省などで高速道路を頻繁に使う人は、1回ごとの差が年間では無視しにくくなります。
さらにNEXCOの休日割引は料金車種区分が普通車または軽自動車等の車両が対象なので、中型車になれば同じ扱いではありません。
「税金では安くなったけど、週末の高速代が増えた」ということもあり得るわけです。
総額で損得を見る
私なら、1ナンバー化の損得を比べるときは「自動車税がいくら下がるか」ではなく、1年間に実際に支払う金額で見ます。
1ナンバー化による年間の差額=税金などで減る金額-毎年車検や保険、高速料金などで増える金額
さらに初年度には、構造変更のための部品、作業、検査、登録など一時的な費用も加わります。
数年乗る予定なら、その初期費用を何年間で回収できるかまで考えると判断しやすいです。
FJクルーザー全体の燃料代や維持費も含めたい場合は、FJクルーザーの特徴・サイズ・中古車選びの総合ガイドも参考にしてください。
1ナンバーのメリット
ここまで注意点を多めに紹介しましたが、使い方が合う人にとって1ナンバー化にはきちんとメリットがあります。
大切なのは、安いか高いかではなく、自分のFJクルーザーの用途と登録区分が合っていることです。
自動車税を抑えやすい
一番分かりやすいメリットは、やはり毎年の自動車税です。
3,955ccのFJクルーザーは乗用車として見ると大排気量の税率区分なので、年式が古くなるほど税負担を意識しやすくなります。
貨物車として適正に登録できれば、最大積載量などを基準とした税率へ変わるため、乗用登録より自動車税を抑えられる可能性があります。
長期間所有する予定なら、この毎年の差額は1ナンバー化を考える理由になります。
荷物中心なら用途に合う
普段から1人か2人で乗ることが多く、後席をほとんど使わない人なら、貨物車としての仕様が生活に合うことがあります。
キャンプ道具、仕事道具、大きな荷物などを積むために後席スペースを荷室として使っているなら、乗車定員が減っても困りにくいでしょう。
むしろ「5人乗れること」より「いつでも荷物を積めること」の方が重要なら、1ナンバーの考え方とは相性があります。
好きなFJクルーザーを長く残しながら、自分の用途に合わせて貨物車として使う。
そういう目的なら、単なる節税より筋の通った変更だと思います。
1ナンバーの注意点
一方で、ファミリーカーや旅行車としてFJクルーザーを使っている場合は、1ナンバー化によって失うものもあります。
ここは変更後に元へ戻したくならないよう、先に確認しておきたいところです。
毎年車検の手間が増える
1ナンバーでは車検が毎年になるため、整備工場へ預ける場合もユーザー車検をする場合も、毎年予定を空ける必要があります。
もちろん、車検が毎年だから毎年大規模な修理が必要になるわけではありません。
ただ、10年以上経過したFJクルーザーではゴム類、ブレーキ、足回り、オイル漏れなど、年数相応の整備が出てくる可能性があります。
車検を安く通すことだけに集中するより、長く乗るための点検機会として考えた方がFJクルーザーには合っています。
乗車定員が変わる場合がある
家族で使っているなら、ここが最大の判断材料になるかもしれません。
FJクルーザーは通常5人乗りで、独特の観音開きドアから後席へ乗り込む車です。
1ナンバー化のために後席を撤去して乗車定員を減らせば、それまで家族や友人を乗せていた使い方はできなくなります。
写真を見ると、FJクルーザーにとって後席も車の個性の一部だと分かります。
現在ほとんど使っていない後席なのか、それとも年に何度かでも必要になる席なのかを考えてみてください。
ETC再セットアップも必要
構造変更でナンバープレートや車両情報が変わった場合は、ETC車載器もそのままにしておかないよう注意が必要です。
ETCでは車両番号や車種区分などの車両情報がセットアップされているため、変更後は再セットアップが必要になります。
1ナンバー化したのに普通車時代の情報を車載器へ残したまま使う、ということは避けてください。
構造変更後は、車検証、任意保険、ETCまで一つずつ登録内容を合わせる必要があります。
売却時は改造内容も見られる
1ナンバー化したFJクルーザーが必ず安く売れるとは限りません。
貨物仕様を求めている買い手にとっては魅力になる場合もあります。
ただ、純正5人乗りのFJクルーザーを探している人から見ると、候補から外れる可能性があります。
中古車市場では純正に近い状態を好む人も多いため、外した純正部品を保管できるなら残しておく方が選択肢を持ちやすいでしょう。
変更内容や構造変更時の書類、整備履歴も保管しておくと、将来売るときに車両状態を説明しやすくなります。
4ナンバーと5ナンバーの違い
FJクルーザーの1ナンバーを調べると、4ナンバーや5ナンバーという言葉も一緒に出てきます。
ただ、旧FJクルーザーでは小型自動車のサイズと排気量の基準を理解すると答えが見えてきます。
| 分類 | 主な用途 | FJクルーザー |
|---|---|---|
| 1ナンバー | 普通貨物自動車 | 条件を満たせば検討可能 |
| 3ナンバー | 普通乗用自動車 | 国内仕様の通常登録 |
| 4ナンバー | 小型貨物自動車 | 通常の車体では該当しない |
| 5ナンバー | 小型乗用自動車 | 通常の車体では該当しない |
| 8ナンバー | 特種用途自動車 | 用途と専用設備の条件が必要 |
4ナンバーは現実的ではない
4ナンバーは小型貨物自動車に使われる分類番号です。
四輪の小型自動車は、長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下などの寸法基準があり、ガソリン車では排気量2,000cc以下という基準も関係します。
国内仕様FJクルーザーは全長4,635mmなので長さは範囲内ですが、全幅は1,905mm、排気量は3,955ccです。
つまり、純正に近いFJクルーザーを貨物登録したいからといって、4ナンバーを選べる車ではありません。
FJクルーザーで貨物登録を考える場合、現実的に話題になるのは普通貨物の1ナンバーです。
5ナンバーにもならない
FJクルーザーの5ナンバー登録についても基本的な考え方は同じです。
5ナンバーは小型乗用自動車の分類なので、FJクルーザーは車幅と排気量が小型自動車の基準を超えています。
そのため、通常の国内仕様FJクルーザーを5ナンバーへ変更するという選択肢はありません。
現在3ナンバーなのは「高級車だから」ではなく、普通乗用自動車の基準に入るサイズと排気量を持っているためです。
8ナンバー登録の考え方
1ナンバーと一緒に検索されることが多いのがFJクルーザーの8ナンバー登録です。
こちらも税金を安くするためだけに自由に選択できる分類ではありません。
特種用途の設備が必要になる
8ナンバーは特種用途自動車に使われる分類番号です。
代表例としてキャンピング車や福祉車両などがありますが、車内へ何か一つ用品を取り付ければ特種用途車になるわけではありません。
その用途に必要な設備を備え、設備が占める面積や構造など、定められた条件を満たす必要があります。
例えばキャンピング車として登録するなら、単に後席を倒してマットを敷くだけの車中泊仕様とは話が別です。
節税目的だけでは選べない
8ナンバー車は、一般的な特種自動車では継続車検が2年ごととなるため、1ナンバーの毎年車検と比べて魅力的に見えるかもしれません。
しかし、そもそも特種用途自動車として成立する用途と構造が必要です。
さらに自動車税、重量税、自賠責、任意保険、高速料金なども8ナンバーだから一律に有利になるわけではありません。
「1ナンバーは毎年車検だから8ナンバーにすればいい」という順番で登録方法を決めるものではありません。
実際にその特種用途で使う車なのかを基準に考える必要があります。
ユーザー車検で費用を抑える
1ナンバー化したあと毎年の車検費用が気になるなら、FJクルーザーをユーザー車検で通す方法もあります。
ただし、ユーザー車検と1ナンバーへの構造変更は同じ難易度ではありません。
FJクルーザーも受検できる
ユーザー車検は、車の所有者自身が運輸支局などへ車両を持ち込み、検査を受ける方法です。
FJクルーザーだからユーザー車検ができないというものではありません。
事前に点検や整備を行い、必要書類を用意して予約したうえで検査ラインへ持ち込みます。
1ナンバー化したFJクルーザーでは継続検査が毎年になるため、自分で点検や手続きができる人なら工賃や代行料を抑えられる余地があります。
法定費用まではなくならない
ユーザー車検にすると車検が無料になるわけではありません。
整備工場へ支払う車検基本料や代行料を抑えやすい一方、自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料などの必要な費用は残ります。
さらに検査で不具合が見つかれば整備や部品交換が必要です。
普段から整備を店に任せたい人なら、無理に毎年ユーザー車検へこだわらず、店舗の費用を比べる方法もあります。
一般的な車検店舗を探す際には、楽天Car車検のように複数店舗の参考価格や口コミを比較できるサービスもあります。
ただし、1ナンバーへ構造変更されたFJクルーザーを受け入れられるかは各店舗で異なるため、予約前に車両情報を伝えて確認してください。
構造変更は通常車検と違う
継続検査のユーザー車検に慣れていても、1ナンバー化するときの構造等変更検査は別に考えた方がいいです。
車両の用途、乗車定員、最大積載量などを新しく決めるため、実車の測定や構造確認が関係します。
書類だけではなく、荷室や座席が貨物車の基準を満たしている必要があります。
せっかく後席を外して運輸支局へ持って行ったのに、基準を満たせずやり直しとなれば手間も費用も増えます。
初めて1ナンバー化するなら、少なくとも改造を始める前に管轄運輸支局へ確認しておいた方が遠回りを避けやすいでしょう。
1ナンバー登録の進め方
実際にFJクルーザーを1ナンバーへ変更するなら、いきなり後席を外すのではなく、順番を決めて進める方が安全です。
私は次の流れで確認します。
今の車検証と仕様を見る
最初に確認するのは、現在の車検証です。
型式、初度登録年月、乗車定員、車両重量、車両総重量、現在の用途などを確認してください。
中古のFJクルーザーでは前オーナーが足回り、バンパー、タイヤなどを変更している場合もあるため、純正状態かどうかも見ておきます。
逆輸入車の場合は国内正規仕様と車両諸元が異なる可能性があるので、国内仕様の数字だけで進めない方がいいでしょう。
運輸支局へ事前確認する
次に、管轄する運輸支局へ1ナンバーへの用途変更を予定していることを伝えます。
現在の車検証を手元に置き、どの座席を残す予定なのか、荷室をどうする予定なのかを説明できるようにしておくと話が早いです。
地域や現車の仕様によって確認される内容が変わることがあるので、過去に別のFJクルーザーが通った方法だけをコピーするのは避けたいですね。
特に5人乗りを維持したい場合は、改造へ進む前に可否を確認しておくことが重要です。
必要な改造と書類を用意する
登録方法が見えてきたら、貨物車として必要な荷室や座席の仕様へ変更します。
作業内容によっては座席やシートベルトの取り扱い、荷室と乗員の保護なども関係します。
自分で作業するのが難しければ、FJクルーザーやSUVの1ナンバー化を扱った実績がある構造変更対応店へ相談する方法があります。
見積もりを依頼するときは「1ナンバーにしたい」だけでなく、希望する乗車定員や使い方まで伝えるのがおすすめです。
2人乗りでも構わない人と、後席を残したい人では必要な作業が同じとは限りません。
構造変更後の手続きも行う
構造等変更検査に合格して新しい車検証とナンバーになったら、それで全部終了ではありません。
任意保険会社へ登録内容の変更を連絡し、ETC車載器も新しい車両情報で再セットアップします。
駐車場の契約や勤務先への車両登録などでナンバーを届け出ている場合も変更が必要です。
そのあと実際の自動車税、保険料、毎年車検にかかった費用を記録しておくと、1ナンバー化して本当に得だったか判断できます。
構造変更費用を含めて考えるなら、変更した最初の1年だけでなく3年程度の支出を比較すると見え方が変わります。
1ナンバーが向く人
FJクルーザーの1ナンバー化は、誰にでもおすすめできる変更ではありません。
逆に、使い方がはっきりしている人にはかなり納得感のある選択になります。
荷物を積む用途が多い人
1人か2人で乗ることがほとんどで、後席より荷室を使う人は検討しやすいでしょう。
仕事道具、アウトドア用品、釣り道具などを日常的に積み、FJクルーザーを実用的な貨物車として使うなら登録上の用途とも合います。
年間の高速道路利用が少なく、毎年車検の手間も受け入れられるなら、自動車税の差を生かしやすくなります。
特に長く所有する予定なら、構造変更にかかった初期費用を数年かけて回収する考え方もできます。
3ナンバーが合う人
家族や友人を後席に乗せることがあるなら、3ナンバーのままの方が自然な場合が多いです。
週末ごとに高速道路を使う人も、中型車料金になる影響まで計算してから変更した方がいいでしょう。
また、毎年車検へ行くのが面倒だと感じる人や、将来できるだけ純正状態で売りたい人も慎重に考えたいところです。
税金が高いのはFJクルーザーの悩ましい部分ですが、3ナンバーだから損、1ナンバーだから得という単純な関係ではありません。
あなたがFJクルーザーで誰を乗せ、どこへ行き、年間何回高速道路を使うのか。
その答えの方が、ナンバーの数字より重要だと思います。
FJクルーザーの1ナンバーFAQ
最後に、FJクルーザーの1ナンバー登録で特に疑問が出やすい内容をまとめます。
Q1. 1ナンバーは本当に維持費が安い?
A. 自動車税を抑えられる可能性は高いですが、年間総額が必ず安くなるとは限りません。
1ナンバーでは毎年車検になり、高速道路では中型車区分となるため、高速利用が多い人ほど差が小さくなることがあります。
任意保険や構造変更の初期費用まで含めて、自分の使用条件で比べる必要があります。
Q2. 5人乗りのまま1ナンバーにできる?
A. 1ナンバーだから必ず2人乗りになるわけではありませんが、FJクルーザーで5人乗りを維持できるとは一律に言えません。
貨物車には荷室面積や乗車設備との割合、積載可能重量などの基準があるため、現車の構造と改造内容によって判断が変わります。
5人乗りを残したい場合は、改造前に管轄運輸支局へ車検証と予定している仕様を伝えて確認してください。
Q3. FJクルーザーを4ナンバーや5ナンバーにできる?
A. 国内仕様FJクルーザーを通常の状態で4ナンバーや5ナンバーにすることはできません。
小型自動車は車幅1.7m以下などの基準があり、FJクルーザーは全幅1,905mm、排気量3,955ccなので基準を超えています。
貨物登録を検討する場合は、普通貨物自動車となる1ナンバーが中心です。
Q4. 8ナンバーの方が得になる?
A. 8ナンバーを節税目的だけで選ぶことはできません。
8ナンバーは特種用途自動車なので、その用途に必要な設備や構造の基準を満たす必要があります。
キャンピングカーとして実際に使うなど目的があるなら候補になりますが、単に毎年車検を避けるための代替手段とは考えない方がいいでしょう。
Q5. 1ナンバーでもユーザー車検はできる?
A. できます。
1ナンバー登録後の継続検査を所有者自身が受けることは可能なので、点検や手続きができる人なら代行料などを抑えられます。
ただし、重量税、自賠責、検査手数料や必要な整備費までなくなるわけではありません。
また、3ナンバーから1ナンバーへ変更する最初の構造等変更検査は、通常の継続車検とは分けて考えてください。
FJクルーザーの1ナンバーまとめ
FJクルーザーの1ナンバー登録には、自動車税を抑えられる可能性があるという大きな魅力があります。
特に3,955ccのFJクルーザーは3ナンバー時の自動車税が高いため、長く乗るオーナーほど1ナンバー化が気になるのも自然です。
ただ、私は「税金が安くなるから1ナンバーにした方がいい」とは考えません。
毎年車検、高速道路の中型車料金、休日割引、任意保険、構造変更費用、乗車定員まで含めて、それでも自分の使い方に合うかを見ることが大切です。
後席をほとんど使わず、荷物中心で、高速道路の利用も少ないなら1ナンバーはかなり検討しやすくなります。
反対に、家族で乗る、高速道路で遠出する、純正の使い勝手を残したいという人なら、3ナンバーのまま乗る方が気持ちよく付き合えるかもしれません。
また、FJクルーザーは車両ごとの改造状況も違うため、ネット上の成功例だけを見て同じ仕様にするのは避けたいところです。
変更を決める前に現在の車検証を確認し、予定している乗車定員や荷室の仕様を管轄運輸支局へ伝え、必要ならFJクルーザーの構造変更を扱った店舗にも現車を見てもらう。
そこまで確認してから費用を比べれば、「税金は下がったけど、思っていた使い方ができなくなった」という失敗をかなり避けやすくなります。
FJクルーザーの1ナンバー化は節税テクニックではなく、車の用途そのものを乗用から貨物へ変える選択です。
あなたの使い方が本当に貨物登録と合っているなら、そのとき初めて1ナンバーのメリットが生きてきます。


